3月も食品などが値上がりし、続く物価高の影響は、地域の名産品にも及んでいます。
信州の郷土食「おやき」から、おとなり・富山県の名産「ます寿司」まで、
「伝統の味を守りたい」と奮闘する人々を取材しました。
長野県小川村でおよそ40年続く、小川の庄・おやき村。
竪穴式住居をイメージした店の中央にあるのが、大きないろりです。
ここで作られる名物が、「焼きおやき」!
店では、ひとつひとつ丁寧に皮で具を包んで作っています。
店の人は:
「具たっぷりですね」
おやきの両面を、いろりにかけた鉄の鍋・「ほうろく」で焼いた後、
横にある「わたし」に移して、全体を仕上げると、
香ばしい「焼きおやき」の出来上がりです。
訪れた人:
「出来立て、あったかくておいしかったです」
訪れた人:
「本当に具がたっぷりで食べ応えがあるというか、野沢菜もすごくシャキシャキしておいしかった」
訪れた人:
「自分の知っているおやきと違ってすごくおいしかったです」
他にも、蒸してつくる「縄文おやき」は冷凍販売も行っている人気の商品です。
多くの信州人から愛される「おやき」にも値上げの波が押し寄せています。
おやき村 大西隆さん:
「なんとしても我慢しきれなくなったんです」
おやき村では、3月から「縄文おやき」をひとつ20円、値上げしました。
おやき村 大西隆さん:
「原料も上がっているんです。それから諸費用、ガソリンも値上がり、人件費も値上がり、もうこれいつまでも我慢ができません。もうやむを得ません」
店によりますと、調味料や野菜も高騰。
苦渋の決断という値上げですが、経営を維持し伝統を守るためでもあるといいます。
おやき村大西隆さん:
「だんだんと時代は変わるかもしれませんが、こういうものをやはり素朴な食べ物かもしれませんが、次の代にぜひ残していきたい、これが小川村を生きるための生きがいだと思っています」