しかし近年、インターネットショッピングの拡大や、競合する大型ショッピングモールの進出などにより、来客・売り上げとも減少傾向に。
コロナ禍の2020年度の売り上げは、ピーク時の4割以下にまで落ち込みました。

そうした中、2023年2月に2年後の閉店を発表しました。
パルコ 今枝立視(いまえだ・たつみ)常務(当時):
「松本パルコの営業終了を決定しましたのでお知らせします」
パルコ本部は、2025年2月末をもって松本パルコを閉店すると発表したのです。
小林寛(ひろし)さん:
「本当に残念ですけど、前向きにいい方に変えていかないと」
名残惜しそうにつぶやいたのは、小林寛さん。
パルコから300メートルほどの場所でセレクトショップを営む小林さんは、2024年8月に、市民など有志で「ありがとう松本パルコ実行委員会」を立ち上げました。
小林寛さん:
「暗くさよならじゃなくて、笑ってありがとうっていう」
閉店までを明るく盛り上げようと、SNSを通じてパルコに思いを寄せる人たちの声を次々と発信。
最終日には、誰でも参加できる思い出を語り合うパーティーや、写真撮影会なども企画しています。
小林寛さん:
「松本パルコに行ってたおかげでいろんなことを知ったし洋書も買ったし、美的センスも磨いたし、今の仕事になってるんだとか、松本パルコに影響を受けた方っていうのはたくさんいるんだなと」
パルコ閉店の影響に不安も感じていますが、「歴史の1ページ」と捉え、その先へ目を向けています。

小林寛さん:
「そこ(パルコの後)に期待するんではなくて、もう僕らが魅力ある路面店になって、回遊できる楽しい街作りっていうんですかね、きれいな街づくりを進めていきたい」
中心市街地の核でもあった、松本パルコ。
閉店後の利活用を巡っては、これまで紆余曲折がありました。