国の統計調査によると、わさびのいわゆる芋の部分の生産量は、2022年の時点で長野県内はおよそ95トン。
栽培面積に大きな変化はないとされるものの、この10年でほぼ3分の1まで減少し、茎や葉を含めた全体の生産量も、4割以上減っています。
安曇野市農政課・竹岡江一係長:
「近年の異常気象であったり後継者不足。こういったものの関係で、生産量自体は減少傾向にあります。また病害虫による被害というのが深刻で、せっかく植えたわさびが、腐ってものにならないというような事象も起こっています」
こうした状況を受けて、安曇野市では2024年2月、『産地強化プロジェクト』を発足。
生産者やJA、県などが、栽培技術の向上や病害虫対策などに連携して取り組み、生産の安定を目指しています。
竹岡江一係長「市としては、今後も高品質なわさびの栽培生産農家にとって、後を継ぎたい、収益に繋がるような産業として育てていく。わさびといえば安曇野というのを、国内外に向けて発信していきたい」
一方、藤屋わさび農園では、さらなる輸出拡大を見据えて新しい工場を建設し、2022年から稼働させています。
望月啓市専務:
「3年目なんですが、新しい工場を作って、いま(生産量が)3倍くらいになっています。国内も中心に作ってるんですが、海外の方も、加工品の方も、生わさびと一緒に輸出をしています」
わさびを急速凍結し、真空パックにする装置も導入するなど、品質を長く保つ工夫により、コンビニや海外向けの商品も製造できるようになりました。
尾関アナウンサー:
「これからの夢は?」
望月啓市専務:「まだわさびが使われてない国にも使ってもらって、日本と言ったらわさびだよねと言ってもらえるような、代表的な食材にしていきたいなと思っています」