やまえ堂 中竹隆博 社長「今年は玉が大きくて、本当に身が入っていてですね。美味しい栗が取れてます」

カゴの中にあるのはゴロゴロとした大粒の栗。
どれも張りがあって、ツヤのある茶色の皮。これが美味しい栗の条件です。
経営危機から一転、地道な努力で“村の一大産業へ”
熊本県南部に位置する「山江村」は栗の収穫ピークを迎えています。

盆地特有の寒暖差の大きい気候を生かして栽培する栗が「村の一大産業」。
「やまえ栗」の愛称は、全国的にも知られています。

中竹社長「北海道や東京から注文が入って毎年大変です、てんてこ舞いです」
そう語るのは「やまえ堂」の中竹社長。
しかし、ここに来るまでの道のりはそう簡単なものではありませんでした。

もともと村で海外向けの電機部品を製造していましたが、リーマンショックのあおりを受け経営危機に。
その時、心機一転と新たに活路を見出したのが、栗の加工業でした。
中竹社長「大変でしたよ、最初は売れなくて」

無謀な挑戦にも思えましたが、2008年から村を挙げて取り組んでいる“やまえ栗のブランド化”が強力な追い風となり、徐々に軌道に乗り始めます。
今では、村の栗農家にとって欠かせない存在に。
地元の栗農家「はい、お願いします」
この日、やまえ堂に持ち込まれたのは箱いっぱいの『やまえ栗』。

中竹社長「農家から直接仕入れて付加価値を付けて販売している」
山江村でも高齢化による担い手不足は深刻な問題。
中竹さんは質のいい地元の栗を市場価格より高く値を付け、農家から買い取っています。

山江村の栗農家「そりゃ助かりますよ。こんなに良いことないですよ」
中竹社長「(栗農家が)代々続く産業になっていけばいいので、(取引価格が)安いと続かないですよね」
こうして、農家から直接仕入れた栗は『やまえ堂』で輝くことになります。
仕入れた栗はこの後、さまざまな商品へ変貌を遂げるのです。