■薄さ0.025ミリ 日本トップクラスの技が生み出す〇〇が材料


後日、フラワーデザイナーの松下さんが材料の仕入れ先に向かうというので同行することに。向かった先は大正5年創業の村田工務店の作業所。松下さんを待っていたのは、大工歴25年の 飯干(いいぼし)棟梁です。
棟梁(とうりょう)=現場を束ねる偉い人です

松下さん
「さっそく始めましょうか!」

棟梁の手には大工道具の鉋(カンナ)が!そして、おもむろに材木を削り始めました。

松下さん
「こちらが私たちのKezuriフラワーの材料になります」

Kezuriフラワーとはカンナで削った、いわゆる「鉋屑(かんなくず)」から作った花のこと。ただ、使う材木は国産ヒノキの中から選び抜いた最高級の木曽ヒノキ。単なる「鉋屑」ではないんです。

さらにすごいのがこちら。とても薄いと思いませんか?
これが鉋屑とは思えない

飯干棟梁は、極限まで薄い鉋屑を出すことを追求する「削ろう会」に所属。およそ300人が出場した全国大会で3位という腕前の持ち主です。

村田工務店 村田 英樹 社長
「削りの名人ですよね、間違いなく日本トップクラスです」

「削りの名人」はどのくらいすごいのか。特殊な機械で測ってみました。
まずは参考のため身近なティッシュの厚さを計測。

0.088ミリ、88ミクロン。だいたい90ミクロンぐらいです。

続いて、飯干 棟梁が削った鉋屑の厚さをはかってみると…
ティッシュよりも薄いとは!

0.007ミリ、7ミクロンです。これはティッシュのおよそ10分の1以下。まさに日本トップレベルの匠の技です。ところが…

飯干 絢介 棟梁
「これだと花が作れないので、ある程度扱える厚みに調整してから削ります」

Kezuriフラワー専用の材料は、あえてちょっと厚めに。匠はミクロン単位で調整が可能。厚さ0.025ミリに削りました。