熊本県玉東町役場の男性職員が、警察から違法な捜査を受けたとして、県に損害賠償を求める裁判を起こしたことが、関係者への取材で分かりました。

町の関係者によりますと、町が発注したJR木葉駅前の賃貸マンション建設と庁舎の建て替え工事をめぐり、熊本県警捜査二課は、当時、事業を担当していた男性職員に官製談合防止法違反の疑いがあるとして、2022年11月に任意捜査を行いました。
その際、男性の自宅を訪れた捜査員2人は「子どもの行事があるから行けない」と伝えた男性に対し「他の町職員も警察署に来る」と嘘を言って男性を任意同行したとされています。
男性は翌月末までに13回警察署を訪れ、合わせて約60時間の任意聴取を受けたということです。
さらに男性は、スマートフォンのロックの解除を拒んだところ「早く帰りたいでしょ?解除しなければ余計に時間がかかりますよ」などと言われ、解除を強要された他、聴取の内容を記す供述調書の訂正を求めたところ「この内容が分からないのならあなたがおかしい」といった趣旨で高圧的に署名を求められ、訂正も拒まれたと主張しています。
これらについて男性は「任意捜査の限界を超えた違法な捜査」として、県に損害賠償220万円を求め、10月30日に熊本地裁に提訴しました。
男性はRKK熊本放送の取材に「家族が大きな恐怖を感じ、違法な捜査を続けられた。警察に自分たちの非を認めてもらいたい」とコメントしています。

一方、県警は「現在、訴状を精査している上、今後、裁判を控えているためコメントは差し控える」としています。
なお、男性に対する県警の捜査は、検察に送致されないまま2023年2月に終了しています。









