建物の屋上に並ぶ黒い影、その正体は…「カラス」です。
これは今月午後6時すぎの熊本市中心部の映像です。取材するとちょっと困ったことになっていました。

観光客も行き交う熊本市中心部で街行く人にマイクを向けるとこんな声が…

通行人
「ちょっと気持ち悪いかな」
「汚い」

ネガティブな発言の原因は…これ。カラスのものとみられる糞です。市役所前の電車通りから下通アーケードへと向かう道のあちらにも、こちらにも。

「あまりにも(糞が)多いとその上を歩きたくないので洗ってほしい、清掃をちゃんとしてほしい」

衛生面を気にする声も聞かれます。
ではこのカラスいつどこからやってくるのか?

記者
「時刻は午後5時半です。空を見ますと多くのカラスが飛び回っています」

そして日が暮れると…
記者
「日没後の街路樹にはこの通りたくさんのカラスがとまっています」

通行人は…
「(カラスが)めちゃくちゃいる」
「今おる?」
「はい。めちゃくちゃいます」
「あーほんとだほんとだ」
「結構多くてびっくりしますね」

このカラスの大群は中国大陸から越冬のためにやってきたミヤマガラスという渡り鳥。数千羽はいるとみられていて、日中は南区の畑などでエサをとり、夜になると寝ぐらである熊本市中心部へ戻ってくるのです。

通行する人は…
「ちょっと怖い気はしますね。よく襲ったりとか、ごみを散らかしたりするのを見るので」

この状況に熊本市は今月14日から糞などの被害を軽減させるための実証試験をはじめました。

実証試験で採用されたのが、この装置。
その名も「だまくらカラス」!

熊本市中心部の花畑公園に常設して、人がいない中での装置の効果を検証します。

警戒音が鳴ると木にとまっていた多くのカラスが飛び去っていきました。

熊本市鳥獣対策室 清野 陽介 室長
「山とか郊外の方に飛んでいってもらって、そちらの方にねぐらを戻し、こういう被害が収まるということを目標にしています」

熊本市は3年前から佐賀大学などと連携して、ミヤマガラスを追い払うための実証試験を続けていて、今回の試験は市内4か所で来年3月まで行われます。

カラスを追い払う「だまくらカラス」、果たして効果のほどは…?
