熊本県教育委員会の職員が過労死ラインを超える長時間勤務が原因で自ら命を絶ったことをめぐり、県は10月10日に「遺族との和解に合意した」と発表しました。

一方、遺族と弁護士は会見を開き、県教委に対する不信感をあらわにしました。

男性の妻(55)「亡くなる前日、実は娘の成人式でした。3人で写真を撮ったんです。娘は振り袖姿ですね。『仕事があるから』って、また天草に戻っていったんです。それが最後に会った姿でした」

2023年1月、熊本県教育委員会の天草教育事務所の管理主事だった50代の男性が自ら命を絶ちました。

男性は、2022年4月からほぼ毎月、過労死ラインを超える月100時間以上、最大で月172時間の時間外勤務をしていました。4月から6月にかけては、連続勤務日数が72日間に及んでいました。

男性の死亡については「長時間労働が原因で精神疾患を発症した。精神疾患と自殺には因果関係がある」として、去年3月に公務災害に認定されています。