死者が600人を超え、近年で最悪といわれる豪雨災害が起きた東南アジア。日本人も洪水などの被害に見舞われています。JNNのカメラがタイの被災地に入りました。

タイ南部の商業都市ハートヤイ。JNNはきょう、洪水で甚大な被害が出た市街地に入りました。

記者
「濁流で押し流された車が折り重なるように放置されています」

先週、記録的な大雨で街はまるで海のような状態に。

当時、ハートヤイにいた永山聡司さん(61)は、宿泊先の2階まで濁流が押し寄せたといいます。

ハートヤイを旅行中に被災 永山聡司さん
「本気でやばいなと」

現地にいた永山さんは、ホテルに閉じ込められましたが、徐々に水が引きはじめ、隣国のマレーシアに避難しました。

ハートヤイを旅行中に被災 永山聡司さん
「言葉もストレートに伝わるわけでもない中で、本当にどうなっちゃうんだろうという分からない状況が一番怖かったです」

タイ政府によると、南部一帯で170人が死亡しました。

病院は医療器具などが水に浸かってしまい、患者の受け入れができなくなりました。

「すみません!感電してしまった(負傷者がいる)ので道をあけてください!」

病院の前では、負傷者を運び込むことができず、引き返す人も。

被災したマッサージ店の家主 ワォラキットさん(63)
「まるで津波のようにひどい状況です。商売も全部だめになってしまった」

経済的な損失は日本円で1200億円に上ると推計されています。

地元のプロサッカークラブで監督を務める日本人の樋口大輝さん。自宅は被害を免れましたが、チームが一時的に使っていたスタジアムが浸水しました。

ソンクラーFC 樋口大輝 監督
「想像以上に悲惨な状態ですね。ただ、これから試合も始まるので、被災している方もいるなかで、一生懸命プレーする姿を見せて励ましていこうと、きのうの(練習)再開のときに話しました」

インドネシアのスマトラ島では、502人が死亡しました。

スマトラ島では日本人8人が孤立状態になっていましたが、きょう、このうち7人が避難し、残る1人は本人の希望で現地に残ったということです。