小学校時代の担任による不適切な指導が、熊本市の男子中学生の自殺に影響したとされる問題。熊本市教育委員会は、教諭の処分をあさって12月1日にも決定します。生徒が命を絶って3年半、これまでを振り返ります。

亡くなった生徒の母親
「まさかこんなことが自分の家族に起こるなんて夢にも思っていませんでした」
2019年4月、熊本市で中学1年の男子生徒が自ら命を絶ちました。
その死に何が影響したのか、家族は「真実を知りたい」と声を上げました。小学6年生の時の息子の言葉が頭から離れずにいたからです。

亡くなった生徒の母親
「『学校の先生がうざい』とか『とにかく学校がストレスなんだよ』というようなことを言うようになりました」

そして、あるものが学校で見つかっていたことが明らかになります。
『死』という文字を生徒が書き連ねたノートです。

≪母親がノートの存在を知ったのは生徒が亡くなってからだった≫
亡くなった生徒の母親
「どうして学校が私たちに教えてくれなかったのか悔やまれます」

熊本市はおととし調査委員会を立ちあげ、先月10月にでた結論は。
第三者委員会の会見
「6年生の時のクラスの環境 特に担任の不適切な言動が関与していた可能性が十分考えられる」
小学校時代の担任教諭の不適切な指導が自殺に影響した可能性があるというものでした。これを受け、教育現場のトップ、熊本市の遠藤 洋路(えんどう ひろみち)教育長は。

遠藤洋路 熊本市教育長
「ご指摘いただいたことを非常に重く受け止めております」
一方で、問題の教諭は、2年半前に40件もの体罰などについて認定されていましたが今月中旬まで教壇に立ち続けていました。

記者
「勤務をさせていたというのはどういう判断?」
熊本市教委 橋爪富二雄 審議員
「・・・・・・」
(20秒ほどの沈黙)
「総合的に考えてきょうまで勤務を継続させていた」

市教委のこれまでの対応を、熊本市の大西市長は強い言葉で非難。

熊本市 大西一史 市長
「教育現場において『対処能力が欠如していると言わざるを得ない』と私は厳しく思う」

この発言の2日後、市教委は問題の教諭の処分をあさって12月1日に決定すると発表しました。

遅すぎた市教委の対応、その責任も問われています。

※今、悩みを抱えているという方は、相談窓口「日本いのちの電話」があります。
厚生労働省のホームページでも紹介されています。
<日本いのちの電話>
・フリーダイヤル 0120-783-556(なやみ こころ)
毎日:午後4時~午後9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時
・ナビダイヤル 0570-783-556
午前10時~午後10時