「賑やかな人吉に」人が集まるカフェと宿
次に伺ったのは、相良村に工場を構える「永尾商店」。創業90年を誇る老舗の漬物専門店で、人気の高菜の漬けは、川上リポーターにとっても慣れ親しんだ味です。

川上リポーター「この味です。物心ついたときにはこの刻み高菜が冷蔵庫に入っていた」
漬物を作っているのは3代目の永尾禎規(ながお ていき)さん。手作業にこだわって受け継がれてきた伝統の味は、長年地域の人たちに愛されてきました。

4年前のあの日は、人吉市にある事務所兼自宅は濁流に飲み込まれ、全壊。そして、父の誠さんを亡くしました。
永尾商店 永尾禎規社長「被災直後は、これからどうなるのだろうという思いでしたが。なんとか事業を続けようと思って」
そんな思いで、永尾さんは人吉市の事務所があった場所でまったく新しい取り組みをはじめたのです。

それが、7月1日にグランドオープンした『カフェながとら』。
目玉商品は、カレーパン。

川上リポーター「パンの甘さとカレーのスパイシーさと、この食感!漬物の食感がよくあいますね」
中には、なんと永尾商店の名物である割干し漬け大根が入っています。
カフェの2階には、素泊まりの宿泊施設をオープン。人吉を愛していた父、誠さんにちなみ『誠屋』と名付けました。

人が集まるカフェと、観光客が泊まる宿。新しくなったこの店には、昔の賑やかだった人吉の町をもう一度見たいという永尾さんの願いが詰まっています。
永尾社長「我々が小さいときのように夏祭りがあったり、歩行者天国の夜市があったり、人がいっぱい集まるような町に戻ってもらいたいですね」