昭和43年(1968)7月、小国町上田(おぐにまちかみだ)の江古尾(えこお)地区で行われた「さなぼり(お座敷田植え)」の映像です。さなぼりとは田植えが終わった後の宴会のこと。江古尾地区ではこの宴席で田植えまでの一連の作業を演じる「お座敷田植え」が恒例行事となっていました。当時ニュースはこう伝えています。

「阿蘇の小国地方は先日の雨で心配されていた田植えも無事に終わり、小国町上田の江古尾地区ではさなぼりの「お座敷田植え」が行われました。このお座敷田植えは、江古尾地区に300年前から伝わっているもので、毎年田植えが終わる6月末から7月のはじめに行われてます。

今年は長谷部さん宅に地区の人達およそ40人が集まりました。まず酒を酌み交わして田植えの労をねぎらい、その後若い人達による「お座敷田植え」が始まります。

蓑傘をまとった農民役の若者が牛に扮した若者を従えて、荒起こし、代掻きといった田んぼの準備作業を再現します。

それに続き、男女が入り混じって「田植え」が再現されます。皆んなで"田植え歌"を歌いながら、苗の植え付ける様子を演じます。こうして皆んなで今年の豊作を祈り、楽しい「さなぼり」の夜を過ごしました。」