◆民営化翌年に新型コロナが流行 債務超過259億円に

高まるインバウンド需要を背景にさらなる成長を見込んでいた矢先、民営化の翌年には新型コロナウイルスの世界的な流行により収入が激減。民営化以降4年連続で、最終赤字を計上し、今年度の中間決算で赤字は前年の61億円から4億円まで縮小したものの、負債が保有資産を上回る債務超過は259億円となっています。東京商工リサーチによりますと、現在、国内の民間空港で債務超過に陥っているのは、福岡国際空港のみだということです。
◆地元経済界が国に強い働きかけ

国は「コロナ禍は不可抗力」だとして毎年153億円の運営権対価の支払いを繰り延べていますが、厳しい経営が続いています。シンガポールの空港運営会社チャンギ・エアポート・キュウシュウは今年3月、所有していた21%の株を売却し撤退しました。一方で、地元経済界は福岡空港の安定的な運営に向けた支援を国に要望。地元経済界の強い働きかけもあって、予算化が実現すると見られています。
◆2025年、第2滑走路の供用開始予定

2025年に第2滑走路の供用が始まる前に、ターミナルビルの拡張や立体駐車場の建設、国内線と国際線のターミナルを結ぶバス専用道の整備などが進む福岡空港。国からの財政支援が入ることで、経営基盤が安定し、利用者の利便性向上につながる新たな投資が積極的に行われることが期待されます。