銀行や金融機関をかたって企業に電話をかけ、メールアドレスなどを聞き出す「ボイスフィッシング」をきっかけとした詐欺が全国的に急増しています。

インターネットバンキング情報等を不正に取得された取引先の6社が合計約8000万円だまし取られた福岡銀行のほか西日本シティ銀行・筑邦銀行が法人向けサービスの一部を停止する事態となっています。

福岡銀行によりますと、27日朝、取引がある福岡県内の企業に福岡銀行をかたった自動音声で「お客様の情報が更新されていません。更新しないと口座が凍結されます」などと伝える電話がありました。

その後、銀行のオペレーターを名乗る何者かに電話がつながり、メールアドレスなどを聞かれたということです。

「ボイスフィッシング」で入手したアドレスにメールを送信してインターネットバンキング情報等を不正に取得する詐欺の可能性があることから、福岡銀行は27日午前11時から、法人向けのインターネットバンキングで「当日扱いの他行への振り込み」を一時停止しています。

福岡銀行は、28日までに取引先企業への不審な電話を数十件確認していて28日午後6時時点で取引先企業6社が合計約8000万円だまし取られたということです。

福岡銀行は、「電話やメールでパスワードなどの情報をお伺いすることは絶対にない」と注意を呼びかけています。

同様の理由で西日本シティ銀行と筑邦銀行でも法人向けのインターネットバンキングサービスの一部を停止しているということです。

福岡県警も県内の企業に銀行をかたった不審な電話がかかってきていることを把握していて「知らない電話番号からの着信」については信用しないよう呼びかけています。