「私たちがごく普通の家族として過ごしたかった貴重な時間も一瞬にして・・・」
安徳さんが講演で見せた写真には、倒れる前年にオーストラリアで撮影した家族写真があった。
上の娘が7歳、下の息子が4歳。笑顔で並ぶ4人。
安徳晴美さん
「過労死っていうのは、過労で病気になるということは、本人だけが辛かったりとか、本人だけが不幸になるということではなくって、私たち家族、そして彼に関わった多くの人も一瞬にして不幸にすることなんですね。失ったのは、私たちがごく普通の家族として過ごしたかったであろう、貴重な時間も一瞬にして奪っていきました」
安徳さんは被災当時、自分を責めて責めて毎日泣いていた。
安徳晴美さん
「どうして救えなかったんだろう。必死になって休め休めって言えば良かったんじゃないか」
医師から「意識の回復はかなり難しいですね」と告げられた時、目の前が真っ暗になった。
安徳晴美さん
「目に映る景色から全ての色がなくなって本当に灰色でした。具体的にどんなのって聞かれたら、高速道路でパッとトンネルに入るじゃないですか?あんな感じです。入る前まで明るいんですね。災害が起こったらトンネルに入ったみたいなそんな気持ちとそんな景色になってしまいます」







