大みそかの夜、実の妹(当時55)を顔が分からなくなるほど殴り死なせた元警察官に、福岡地裁小倉支部は13日、懲役9年の判決を言い渡した。

争点になったのは、犯行直前まで飲んでいた酒の影響。

弁護側は「アルコール酩酊の影響で心神耗弱の状態だった」と減刑を主張したが、判決は「完全責任能力があった」と判断した。

その根拠のひとつとしたのが、亡くなった妹の発見時の状態だ。

「ずさんながらも性犯罪を装い、
 その場しのぎではあるが捜査をかく乱しようとした」

うつむいたままの被告

静粛に包まれた、福岡地検小倉支部の法廷。
福岡県警の元警部補・廣瀬守隆被告(58)は、開廷の6分前、3人の刑務官に付き添われ入ってきた。

うつむいたままの被告に裁判長が判決を言い渡す。

裁判長:主文、被告人を懲役9年に処する

読み上げるとわずか13分ほどの判決文だが、廣瀬被告には厳しい言葉が並んだ。
「残虐で悪質」「逃避的・他責的な弁解に終始」

そして

裁判長:実の妹である被害者を死なせたことに正面から向き合っていない被告人に
    その刑事責任を自覚させるためには、懲役9年が相当だ