気温35℃の水田で開発された「元気つくし」

福岡県が地球温暖化への対応策として2008年に誕生した品種が「元気つくし」です。水田を35℃に設定して開発されました。

地元福岡では「冷めてもうまい」のフレーズでおなじみの「元気つくし」ですが、実は「高温に強いコメ」で品質の良さも売りです。

コメは、高温障害をおこすと白く濁り品質が落ちます。

暑さに弱いコメが、高温障害で白く濁る環境下でも「元気つくし」はコメの粒が透明だといいます。

福岡県農林業総合試験場 農産部 佐藤大和部長「高温に弱い品種は穂が出たあとの平均気温が26℃になると、白く濁る症状が出てきます。元気つくしは26℃を超えても透明感がある品種に育つのです」

1等米の比率品種で違い

農林水産省によりますと、平均気温が上昇した近年、品質の良い1等米の比率は減少傾向で、去年は60・9%(速報値)と過去最低になりました。

ただ、品種別にみると、その割合には、顕著な違いがみられます。

高温に弱いコメは、全体の収穫量のうち1等米が20%に満たないのに対し、「元気つくし」は80%前後と高い水準で推移しています。