2024年10月、札幌市の認可保育園で1歳の男の子が給食をのどに詰まらせて死亡した事故について、専門家グループが検証報告書をまとめました。

 2024年10月、札幌市北区の認可保育園「アイグラン保育園拓北」で、1歳1か月の男の子が給食の「豚肉の炒め物」をのどに詰まらせて死亡しました。

 保育園の運営会社の社長は事故後に開かれた会見で「ご遺族に深くおわび申し上げます。大変申し訳ございません」と謝罪しました。

 事故からもうすぐ1年となるのを前に、専門家らによるワーキンググループが札幌市の秋元市長に死亡事故の検証報告書を提出しました。

 これを受けて、札幌市の秋元克広市長は「今回の事故を重く受け止めて、ご提言いただいた内容についてしっかりと行政内部でも共有をし、また各園の指導等に活かしていきたい」と話しました。

 報告書は30ページで、園児が給食をのどに詰まらせた背景について、保育士と栄養士の間で園児の離乳がどれくらい進んでいるのか認識にずれがあり、園児のかむ力に食材の大きさが合っていなかったと結論付けました。

 

 具体的には、本来は食材を1辺1センチ以下にカットすべきところ、実際は1.5センチから2センチ程度とひと回り大きかったということです。

また、安全管理のマニュアルが組織的に共有されていなかったとも指摘しました。

 札幌市への報告を行った北海道大学大学院教育学研究院 加藤弘通教授は「複数の担当者間で認識の内容について確認しあう必要がある。再発防止について実効性のある取り組みを強力に推進されること望む」と付け加えました。

札幌市は今後報告書について、市内の保育園に周知し、再発防止に努めるということです。