「400年もつ」フィルムを厳重管理


総合図書館のフィルムアーカイブには、3300本以上の映画が登録されています。アジア映画が1000本近くを占めているのが特徴です。3階の「フィルム収蔵庫」に向かいました。その途中、森田さんから、こんな質問をされました。

森田さん:フィルムって、何年もつと思います?

神戸:いや、わかんないです…。

森田さん:本当に適切な管理下のもとであれば、400年もつって。

神戸:400年ですか?!

森田さん:そうなんです。よくもう「今デジタルになってるんだからフィルムなんて」とか言う人もたまにいらっしゃるんですけど、本当にオリジナルを残していく意味って、非常にあるんです。

森田さん:フィルムはすごく保存状態が大切です。摂氏5度とか。

神戸:寒いんですね?

森田さん:はい、非常に寒いんですけれども、ただ急激に冷やすんじゃなくて、ちょっとずつ冷やすために、「前室」が2つあります。

(ドアを開ける)

神戸:お、ここでもけっこう寒い。

森田さん:こちらで今11度。

神戸:温度計が!森田さん:こういうふうに温度を下げていくことで、結露が起こらないようにしてるんです。なので、上映の1週間前ぐらいからちょっとずつ、何日かごとに移動して。

神戸:前に出してくるんですか。前室に移して。

森田さん:逆もそうです。終わった後もちょっとずつ、ちょっとずつ。

(もう一つドアを開けて)

森田さん:さあ、こちらが…

神戸:おー、寒い!

森田さん:こちらが基本5度、湿度を40パーセントに保つようにしています。


冷蔵庫並みの寒さ。適切な管理下では400年。ずらっと、平らな円盤型の缶に入ったフィルムが並んでいました。高倉健さん(福岡県中間市出身)が、映画に出演した時には自分用にフィルムを1本焼いてもらって持っていたのだそうです。健さんから寄贈を受けたフィルムの棚がありました。RKBの伝説的なドキュメンタリスト、木村栄文さんの作品もフィルム化した形で収められたりしていました。

奥行80メートルの巨大な本棚ゾーン

私たちが本を手に取ってみることができるのは1階と2階の「開架書庫」だけですが、バックヤードには「閉架書庫」と言われる一般には見られない本棚があります。130万冊のうち約半分が収められているのだそうです。

森田さん:では、いよいよ4階に…。神戸:4階?

(鍵を開けて)

森田さん:私はここの匂いが大好きなんです。どうですか?

神戸:ああ、「紙」の匂い。

森田さん:これは、好きな人と、「苦手」と言う人と分かれるんですよね。

神戸:僕は、好きな方ですね。

森田さん:ああ、よかったです。

森田さん:そして、ここ。直線で、80メートルあります。

神戸:すごい!本棚が80メートル並んでいるなんて、見たことがない。


森田さん:この間、出版会社の社長さんたちがたくさん見えたバックヤードツアーがあったんですが、その時も皆さんすごく驚かれていました。「こーんな…すごいね」って言われてて。

森田さん:必然的に、古い本の方が閉架にはあります。バックヤードツアーの子供たちに「こんなのもあるよ」って言ったら、もう興味津々で、動かなくなっちゃった子がいて、「もう行くよ」って言っても「嫌だ、読むー」みたいな。すごく不思議なんでしょうね、同じ年の子が読んでた昔のものが。


森田さん:例えば、こんな…尋常小学校…(中を開くと)「テンノウヘイカバンザイ」って書いてある!

神戸:わー、天皇陛下万歳って書いてますね!尋常小学校の教科書。「修身」だ、はー…。


天皇陛下万歳…さすがに「すごいな、戦前は」と思いました。