G7首脳に被爆者の証言を聞く場を設けるよう望んでいる人もいます。原爆資料館の元館長で被爆者の原田浩さんです。この日は高校生に被爆体験を語りました。


(原爆資料館元館長 原田浩さん)
「まだ生きていたというそういう人たちを踏み込んで、逃げざるを得なかった。こうした体験は決してあってはいけない」

1993年から5年間、資料館の館長を務めた原田さん。国内外の要人に館内を案内する中で、被爆体験を語ることの大切さを痛切に感じたといいます。


(原爆資料館元館長 原田浩さん)
「一番強く印象に残ったのは当時の天皇皇后両陛下。天皇陛下が『あなたは当時、どこにいましたか』と発言されて、私は広島駅にいましたと。『広島駅はどうだったのですか』と聞かれて、全焼全滅でしたと。迫りくる炎に追いかけられながら、命からがら命からがら、生死を分けるような中で家族一緒に逃げたのですという話をしたら、天皇皇后両陛下、全く目線をそらさない」
「誠意を持って伝えれば、間違いなく伝わるというのを身を持って体験した一つの例」



原田さんもG7の首脳による資料館訪問の行方に注目しています。

(原爆資料館元館長 原田浩さん)
「やはりオバマ大統領の時は十分に中身を見ていないということのようなので、資料館の館内の展示をしっかりと自分の目で見て、自分の気持ちの中に受け止めてもらいたいと」


「(実現は)難しいと思う。だけど、その難しさを超えて、各国の政府の思惑も超えて、日本政府として、どこまで踏み込んでくれるのか、そこにかかってくると思う」