「漁船1隻、右100°5マル。走行方位角、右50°」



艦橋に上がり見張りをしているのは、海上自衛隊の桑原杏実海士長(22)。潜水艦の乗組員を目指して、訓練に臨んでいます。



「艦橋へ、潜航せよ」「潜航、潜航」
「艦長、1万ヤード内、近づく目標ありません。左艦尾からこの進路で潜入します」



張り詰めた空気の発令所に響く指令。海上自衛隊の中でも潜水艦の活動は、機密が多いことで知られていて、現在は22隻の潜水艦が任務に就いています。



潜水艦教育訓練隊 目加田克彦 司令
「日本おける潜水艦の役割は、隠密性というのが潜水艦の最大の武器であります。平時は情報収集・警戒監視といった行動を行い、抑止力として有事の際には対処能力として」



艦内はせまく、乗組員は数日にわたり過酷な勤務を強いられるため、乗艦できるのは適性検査などに合格し、厳しい訓練に耐えた自衛官だけです。