「平和のありがたさは平和の中にいると気が付かない」94歳の被爆者が若い世代に伝えたいこと

たくさんの後輩を失った市女の卒業生・加藤八千代さん(94)は、平和な時代に暮らす日本の若い人たちに伝えたいことがあります。
市女の卒業生 加藤八千代さん(94)
「平和のありがたさは、平和の中にどっぷりいると気が付かないんですよね。翌日の予定が立つのが平和なんです。戦時中っていうのは翌日の計画が立てられない。夜中に自分が死ぬかも分からないから。明日は何と何をしようって…平和だからできるんです」
市女の慰霊碑は、戦後まもなく建てられました。当時は占領下で「原爆」などの言葉が使えなかったため、原爆の開発に応用されたアインシュタインの公式「E=MC²」を刻みました。

慰霊碑には、3人の女学生があしらわれています。公式を持つモンペ姿の女学生は、原爆で犠牲になった少女です。そして両脇にいる女学生が頭をなで慰めています。使い方によっては「悪魔の兵器」にもなるこの公式を、人類はどう使わないといけないのか。女学生のレリーフが問いかけています。