取材したまさにこの日、国家資格である「運転士」として合格したという吉村優志さん。

運転士 吉村優志さん
「広電の養成所の諸先生がたには本当に感謝を申し上げる次第です」


宇都宮ライトレールからの研修生の1人で、もともとはJRで車掌をしていたそうです。免許が取れても営業運転するには、まだまだ訓練が必要です。この日は、古い型の車両で広島市内全てのコースを走ります。


養成所 木寺歩専任教師
「車でいう『オートマ』と『マニュアル』みたいなもので、これはマニュアル車なので。左側が車でいうアクセル、右側がブレーキなんですけど、どっちの操作も熟練が必要なんですけどね。その辺がまだ未熟なので、電車の動きがガタガタなったりする」


運転士 吉村優志さん
「信号よし! ポイントよし!」


広電の社員以外を乗せるのは初めてという緊張の “吉村号” に取材陣も乗せていただきました。

電車のブレーキのかけ方の基本は、「一段制動・階段緩め」。じわりと踏み込む車と違って、最初に強めにかけて、少しずつ緩めていくというものです。


運転士 吉村優志さん
「元宇品口停留所、停車!」

吉村さんは、まだ思い切りよくできずに、ブレーキをつぎ足し気味…。たびたび注意されてしまいます。

「つぎ足しよるよ。1回目が少ないよ」

養成所 木寺歩専任教師
「ぼくらから言わしたら、かなり下手(笑)」

電車には、安全性と乗り心地だけでなく、ダイヤを守るための効率よいスピードが求められるのです。


運転士 吉村優志さん
― ここまでの運転は?
「決して満足のいくようなものではありません。これでは、とても営業運転できませんので、もっともっと上達したいと思います」

吉村さんは、あと3か月ほどで宇都宮に戻り、来年の開業に備えて訓練を重ねます。


― 吉村さんが運転していた車両は、車でいえばマニュアル車ということで、宇都宮にはありませんが、操作の基本がわかっていることが、オートマタイプを運転するときにも役に立つと考えられています。

― 世界の都市では、ここ20年ほどの間にLRTの導入が各地で進んでいます。日本でも新しい会社としては来年70年以上ぶりの開業ということです。新しい路線としてはおととし、富山で開通しています。


― RCCと広電がコラボして毎年、取り組んでいる、原爆の日の「被爆電車の乗車体験」企画ですが、ことしは3年ぶりにリアル開催(8月6日~9日予定)ができそうです。申し込み方法などの詳細は、今月20日にRCCのホームページで発表させていただきます。