コーディネーターは、料理研究家の 花井綾美 さん(むすぶ広島代表)です。

上村さんら若手農家が集まりました。上村さんの父が、原爆のときの話をしました。あの日、川内地区のある集落の人たちは、爆心地近くの建物疎開に駆り出され、働き盛りの男性を中心におよそ190人全員が被爆死しました。

上村さんの父 利樹 さん(69)
「残った人が子どもとか、女の人とか年寄りしか残っていません。今からどうやって生活していこうかっていうときに、ちょうど広島菜があって、それを栽培して漬物にして、生計を立てられたそうなんです」

あれから78年、広島菜は今も川内の特別な作物でした。

上村隆介 さん
「川内には広島菜があって、それを守りたい。いかに手をかけて、いいものを作って、みんなに食べてもらえるか考えて農業をやっています」

昼食は、花井さんたちがキャベツの代わりにミニ広島菜を入れたお好み焼きを作りました。名付けて「川内焼き」です。

生徒
― どうですか?
「おいしい。キャベツを入れるより、こっちの方がシャキシャキしていて、好きです」
コーディネーター 花井綾美 さん
「きょうの印象をどういうふうに生かしていきたいか、ちょっとお聞きしたいんですけど」

高校2年生(16)
「みなさんはおいしいもの届けたいとか、伝統を守りたいとか、そういう気持ちで農家をやられている。自分もがんばっていこう、そういうふうに思いました」
農家 上村隆介 さん
「若いうちからちょっとずつ、みんなの輪を広げる」

上村さんに頼んで人脈を作る秘訣を教えてもらう生徒もいました。
高校3年生(17)
「まじでうまい。広島に住みたい。決めた、広島に住む」

わずか3時間の滞在…。それでも川内の人たちとの交流は生徒たちに「何かにがんばってみる、やる気」を与えたようでした。