高校野球広島大会が、7月8日に開幕します。甲子園を目指して汗を流す高校球児たちを追う「つなぐ夏、つながる未来」。今回は、市立呉高校です。この4月に新監督が就任したばかりの春の県大会でいきなりベスト4入りを果たしたチームが、新たな時代へ挑む夏です。

呉市にある呉市立呉高等学校。通称「イチクレ」。野球部設立は、比較的歴史の浅い2007年ですが、創部からチームの指揮をとる名将・中村信彦 監督のもと、2度の甲子園出場を果たした名門野球部です。

その中村監督が去年、退任し、この4月からは2021年夏、西条農業を県ベスト4に導いた実績のある 三浦謙二郎 監督が就任しました。

監督就任から3か月。西条農業での経験を生かしながらも、新たな自分を模索し続け、新天地での夏を迎えようとしています。

市立呉高校 三浦謙二郎 新監督
「(前任の)西条農業では割と厳しさもありながらという印象がいままでの生徒は持っているかもしれない。(市立呉で)これも新しい自分を発見できるなと思いながら、自分らしくはやっているつもり。ぼくがどうのこうのっていうよりも選手の方が上手に対応してくれているなと感じている」

新たな刺激を受けているのは、生徒も同じ。夏に向けてチームの勢いはさらに増しているようです。

市立呉高校 渡辺慶心 主将
「全員で盛り上がっていけるようなチームに変わっていったと思う。(試合に)出ていない選手でもどんどん盛り上げて、自分も出ようというチャンスが生まれてきている。とてもいい刺激になっている」
そんな三浦監督には、貫き続ける考えがあります。それが「練習の効率化」です。特に今年度から学校の方針により練習時間短縮などが義務付けられ、短時間での集中した質の高い練習が求められています。

三浦謙二郎 新監督
「グラウンドに入ってきて、スイッチが入ってないのが嫌なんです。目指せ、甲子園じゃないですか、高校野球って。その気持ちがあったら1分1秒をムダにしたくないのは大人もそう」