マツダスタジアム、6月2日(金)。その姿に球場全体が沸きました。

右内転筋の筋挫傷から復帰を果たし、およそ1か月ぶりにマツダスタジアムのマウンドを踏んだ 栗林良吏 ―。復帰戦は、2点ビハインドの場面でした。

広島カープ 栗林良吏 投手
「今、どこで投げるかわかんないので、そんな中で電話が鳴って、ようやく出番が来たと思って、ドキドキとわくわくっていうのか、すごくいっぱいで、マウンド上がったら本当に温かい拍手に包まれて、すごくうれしかったです」

この登板は、5月30日に1軍昇格した栗林自身も待ち望んでいたものでした。

栗林良吏 投手
― 京セラドーム3連戦では登板がなかったが、あのときは早く投げたいだったのか、マツダスタジアムに向けての準備だったのか?
「もう本当、早く投げたい気持ちが強かったですし、出番があるかなと思いながら、ドキドキしていました」

― 投球を振り返っていただきたいんですが、いろんな球種を使っていました。
「そうですね。やっぱり決め球のフォークに頼らずに、まっすぐ・カーブ・カットボールっていうところで決めに行こうとしていたので、それはよかったかなと思っています」

19球を投じ、2つの三振を奪い、無失点。最後のバッターを三振に仕留めた栗林は、冷静な表情の中にも心にはあふれるものがあったといいます。

栗林良吏 投手
「本当、うれしかった気持ちが強かったし、フォークでは空振り取れなかったですけど、三振が2つといったところも自分としてはよかったなと思ったので。ファンのみなさんの声援が本当になんていうか、自分の高揚感っていうのかを高めてくれましたし、自分のアドレナリンを出してくれたのは、本当、ファンのみなさんの声援だったので、それに応えられたっていう満足感でしかなかったです」

― 監督・コーチ・選手のみなさんもすごく笑顔で迎えてくれたと思いました。あの場面っていうのは、どんな言葉をかけられたんですか?
「本当に新井さんにもナイスピッチングと言ってもらいましたし、藤井ヘッドコーチにも『おかえり』とその場で言ってもらえたのは、すごくうれしかったなと思うので。新井さんが、よく『家族』って表現してくれますけど、その場にようやく入れたっていうのか、一歩踏み出したなって気持ちがあるので、あとは本当にチームの勝利に貢献できるピッチングにできたらいいかなと思っています」