背景にはコロナ禍による新しい生活様式の浸透によりバスの利用客がコロナ前の6割にまで減少したことがあります。さらに、物流業界でささやかれる “2024年問題” が、バス業界も直撃しています。「運転手の働き方改革」です。

広島バス 運輸課 平岡祐介 課長
「今後、2024年の4月1日から勤務間インターバルを9時間以上取りなさいと。現状のダイヤ、8時間基準で組んであるダイヤでは、今の便数・運行頻度というのは、どうしても維持することができなくなってしまう」

運転手不足が指摘されている来年の春を見すえて、一足早く対応に乗り出したわけです。

今後、バス業界は、どうなっていくのか?

広島修道大学 商学部 橘洋介 准教授
「やはり選択と集中というところをやっていかないことには、現状の規模を維持していくのは、なかなか難しいのかなという現状にあります」

海外では、「公共交通は営利で運営できるものではない」として、税金や自治体などによる運営になっていると橘准教授は指摘します。

広島修道大学 商学部 橘洋介 准教授
「これまでと同じ交通網、利便性をということは、どう考えても今後は難しいだろうと。その中で自分たちで自分たちの地域を守っていくことが必要になるんじゃないかなと思います」

広島バス 運輸課 平岡祐介 課長
「どうやってお客さまの利便に対して公共交通そのものを維持していくかっていう形を考えていかなきゃいけないとは思っています」

わさまち会 福光寛泰 さん
「自分たちがどういう交通路線が、交通手段があれば便利なのか。これからは自分たちで考えて、みんなで相談しながら考えていきたい。そういうきっかけにしたい」

新しい生活様式と働き方改革…。バス事業者と利用者の双方に新たな対応が求められています。