それでも沿線の人たちにとって広浜線は、通学や通勤など多くの思い出が詰まった路線で、最終便を迎えるセレモニーは盛大なものになりました。

最終便のハンドルを握った乗務員は、感慨深そうでした。

最終便に乗務 中国ジェイアールバス 寺下哲 さん
「めちゃめちゃ緊張しました。手を振られる方やおみやげを持って来られる方、本当にうるっときました」

この会を発案した酒造会社の社長・福光寛泰 さんです。

わさまち会 福光寛泰 さん
「このバス路線から多くの思い出が生まれました。これらの思い出は人生の宝物です」

中国ジェイアールバスの支店長は、自身も学生時代、通学で利用していたということです。

中国ジェイアールバス 広島支店長 空田弘 支店長
「子どもの数も減り、コロナ禍の影響もあり、なかなか厳しい状況でありますので。このような状況になり、非常に残念です」

住民
「わたしは嫁いできたんですが、小さい子どもを連れて、1回だけ乗ったことがある。お世話になりました」

わさまち会 福光寛泰 さん
「今回、このようなセレモニーで今までの感謝の気持ちを伝えることができて、ほっとしています。本当にこの地域が発展するために欠かせないバス路線。大切なバス路線でした」

89年のバスの歴史にピリオドが打たれました。

広島市中心部でも減便 相次ぐ…

バス路線の変化は、広島市中心部のデルタ内を走る便にも現れています。たとえば、広島駅を出発して八丁堀・旭町を経由し、再び広島駅へ向かう広島バスの旭町線。

平日の便数は上りと下り合わせて82便あったものが、今月のダイヤ改正でわずか7便に減便しました。

旭町バス停前の吉田薬局 吉田桂子 さん
「八丁堀に行くのは26番・旭町線しかない。だから重宝していて。少ないと言っても26番・旭町線が一番利用が多いと思います」

広島バス 運輸課 平岡祐介 課長
「26号線が、ほかの路線とかなり重複している区間が多くて。ほかの路線で26号線の代替を考える余地がかなり大きかった」

減便は旭町線だけではありません。宇品線・横川線・吉島線・草津線…。広島バスでは、7つの路線に上る、過去にないダイヤ改正に踏み切りました。