みんなで笑いあって、話し合う…。長引くコロナ禍で孤独を感じていた若い人たちにとっては、貴重な場となったようです。悩みを抱える若者の孤立を防ごうと、広島と東京のNPO法人が、泊まり込みのワークキャンプを企画しました。


ゴールデンウィーク真っ只中、安芸高田市で若者たちが畑仕事に汗を流しています。東京と広島のNPOが企画する「若者の自立支援」の取り組みで集まりました。NPO「ブエンカミーノ」の代表・吉川望さんです。「ブエンカミーノ」とは、スペイン語で「良い旅路を!」という意味です。


さまざまな要因で孤立したり、社会との関わりに難しさを抱えたりした「悩める若者」が頼れる場として、農業や共同生活などを通したつながりづくりに取り組んでいます。ワークキャンプは、コロナ禍で休止していて、3年ぶりだそうです。

ブエンカミーノ 吉川望さん
「孤立していたらリカバリ―するチャンスが非常に減る。精神的に病んでしまったなら環境を変える。環境を変えることによって、もう一度、やり直すとか。そういうふうな場所は必要だと思っている。」

今回は、4泊5日で一緒に生活しながらブロッコリーの収穫などを体験。集まったのは、年齢も職業も違う20人です。

神奈川から参加した大後さんは、コロナ禍で大学生活を過ごし、人との関わりが希薄になった世代の1人です。


大後双葉さん(20)
「中学と高校のときは人間関係に困らず、人と話している方だったけど、大学に入って人と話せなくて、これはやばいかもとは思いましたね。友だちができないので、家でパソコンと向き合って、授業を受けて、課題やってという繰り返しで、ただ単に毎日、過ごしています。3年ぶりにゴールデンウィークに外に出られる。楽しみたいし、いろんな人と関わって話したいなと思って参加した」

会社員の藤田さんは、学生時代にアルバイト先で受けたパワハラなどが原因で、「自律神経失調症」に6年間、悩まされているといいます。会社は先月から休職しています。


藤田竜之介さん(26)
「仕事だと基本、自分でしゃべらずに黙々と作業することが多い。けっこう孤独というか、悩みを言える機会がない。なかなかさびしいなと。こういうところだと誰も知らないので、思いきり自分を出せて、自分の思うことを言えるというのがある」

農作業の休憩中、近くの川に行くことになりましたが…。まだ5月なのに、全力で水遊びです。

NPOグッド! 正田理沙子さん
「それこそコロナ禍で大学生たちが何もできなくて、みんなの青春がない。この意味がわからないことをみんな笑いながら一生懸命にやるってすごいと思う。それを一緒に作っていけたらいいなと思っていたら、一緒にこうやってビショビショになっています」

ブエンカミーノ 吉川望さん
「とにかく笑っていてほしいって感じなんですよ。笑わせたいんですよね。楽しくおってほしいじゃないですか」


藤田竜之介さん
「自分は26歳。みんな大学生が多く、年も離れてるので仲良くなれるか、同じことを楽しめるか、不安だった。自分のことをほめてくれたり、ぼくをあだ名で呼んでくれたり、年下もタメ語を使って仲良くしてくれて、そういうのがすごくうれしかったし、自分って生きていいんだっていうか、誰かのために行動できたり、みんなで笑いあって楽しんだりできて、自分のことを好きになれるんだなって思いました」

ー あだ名は?
「『りゅうちゃん』ですね。うれしいです。呼んでくれて、うれしいです。本当に。」