男性は、知床で聞いた「岡山から来た船」という話をもとに書籍などを調べました。


KAZUⅠは、37年前に造られ、かつて三原港と生口島を結ぶ定期船として使われた船の可能性が高いと指摘します。


KAZUⅠを撮影した尾道市出身の男性
「わたしも小さい頃に家族で出かけるとき、三原に出るのに使っていた船です。」


男性が撮影した写真をもとに船の登録原簿を確認すると、KAZUⅠが、2004年まで岡山県内にあった会社が所有し、船籍は備前市(当時和気郡日生町)の港になっています。登録制度が運用される2002年より以前の情報は確認できませんでしたが、瀬戸内海を航行していた船だったことがわかります。


KAZUⅠを撮影した尾道市出身の男性
「わたしが撮影したときは、ブリッジの後ろ、後部客室の上にデッキがなかった。この10年の間に増設されたんだと思う。」

瀬戸内海を走っていた船が、建造から40年近く経過して、気象条件の違うオホーツク海を航行することはできるのでしょうか?


中国旅客船協会 松山生馬専務理事
「船齢だけで判断されるのはいかがかと思う。旅客船であれば毎年、検査を受ける。国や国の外郭団体の検査を受けるので、その点は安心してもらいたい。」


KAZUⅠを撮影した尾道市出身の男性
「瀬戸内海から引退して売却されていたものの中には、日本海側や東北で活躍している船もある。40年ぐらいの船は瀬戸内海でもまだ現役で走っているものもある。適切な管理をしていけば、40年経っていても現役で走れるのだろう。」

男性は、「KAZUⅠのように古い船は全国で活躍していて、それぞれがしっかりとした安全管理をしているからこそ安全が保たれている。あらためて運航管理の大切が分かる」と話しています。