■お菓子をねだる子どもたち「でも、手が出んかった」


2月に描いた絵の中に尾崎さんの怒りが感じられるものもありました。

終戦から数か月、進駐してきたアメリカ軍に、お菓子をねだる子どもたちの姿です。

尾崎稔さん
「子どもがチョコレートやアメをもらうわけよ。集まったら『ちょうだい、ちょうだい』と言い出したわけよ」

少し離れた所に尾崎さんの姿も描かれています。


尾崎稔さん
「でもわしらは、たった1か月か、2か月前に、お母さんや妹を殺されたわけよ。だから手が出んわけよ。そういう子もおったよ、みんながこうじゃなかったよというのを、言いたかった」

3月30日、尾崎さんは、2月と3月で新しく描いた8枚の絵を資料館に寄贈しました。寄贈した絵の数は、90枚を超えました。


原爆資料館学芸員 高橋佳代さん​
「100枚目指してね。ことしも、みんなでがんばっていきましょうね」