広島県内で養殖カキが大量死している問題に対応するため、横田知事は4日、生産現場を視察しました。養殖業者からは苦しい資金繰りや海の環境整備を求める声などが聞かれました。

横田知事は江田島市と呉市音戸町の養殖業者を視察。水揚げされたばかりの養殖カキを見ながら多くがへい死している状況について説明を受けました。

養殖業者「今までなかった40年やってきて」
横田知事「急に?」
養殖業者「急にこんな状態。海の(環境の)改善をするなど、そのあたりを県とか行政に助けていただけたら嬉しい」

生産者からは▽当面の資金繰りや▽原因分析を含む中・長期的な環境対策について県の対応を求められました。

カキ養殖業者
「(養殖を始めて)44年になるがこんなに(大量に)死んだのは初めて。(融資を)据置きで借りられることや原因の追及や品種改良などと同時に海の栄養を増やすことを要望しました」

横田知事
「大変多くの、8割、9割、9割のカキがへい死しているということで、しっかりと県としても、研究もそうですし、経営の安定に向けてしっかりと対策を打っていかなければいけないなと改めて思いました」

県は視察後、地元の養殖業者を集めて意見交換会を実施。生産現場の声を支援策に活かしたい考えです。

県議会の12月定例会で県は養殖業者への支援を盛り込んだ補正予算案を提出する方針を固めています。関係者によりますと、養殖業者が金融機関から融資を受ける際、その利子を県と市町で負担します。融資枠は30億円、2年間の据置期間を設けるということです。

また、横田知事は5日、農林水産省を訪れ、鈴木憲和大臣と面会します。カキの大量死問題に関して、国に財政支援などを要望する予定です。