わたしは普段、江田島市沖の瀬戸内海を中心に、水中写真を撮っています。きっかけは20年前…。スキューバダイビングで出会った地上とはあまりに違う景色に魅了されました。この競技の存在を知ったのは、10年ほど前です。当時、国内でほとんど知られておらず、競技人口も少なかったため「自分も挑戦できるかも」と、世界の舞台を目指すことにしました。

今回の大会が行われたスペインの海は、海洋保護区になっています。競技中、水中生物や海底など、すべての環境に一切触れてはいけない「ゼロコンタクト」という厳格なルールが初めて導入されました。撮影だけでなくダイビングの技術も求められる難易度の高いものとなりました。
わたしは、スマートフォンを使って撮影する「スマートデバイス部門」にエントリーしました。撮影技術に加えて、独創性や芸術性も、審査の大きなポイントとなります。現地特有の石灰岩できた地形と生態系を、一枚に収めることに専念した結果、4位入賞という成績を収めることができました。
スペインの海は、漁業が禁止された「保護区」。小魚は少ないのですが、大型のハタが人間を恐れることなく泳ぐ姿が間近で見られるなど、いつも潜る瀬戸内海とは異なる生態系を肌で感じました。海が持つ多様性と奥深さを改めて実感する貴重な体験となりました。

































