政府・与党は、日本を出国する際、現在1人あたり1000円徴収している税金、いわゆる“出国税”を3000円以上に引き上げる案の検討に入りました。オーバーツーリズム問題に対応するためだとしていますが、実現するのでしょうか。

東京・台東区の「かっぱ橋道具街」。きょうも調理道具などを買い求めに、多くの外国人観光客が訪れていました。

スイスから来日
「良いフライパンが欲しくて、こんな感じのを。自分用に」

右肩上がりで増え続ける訪日外国人。今年は過去最多だった去年を上回るペースです。

その一方で、懸念されているのが「オーバーツーリズム」の問題です。人気の観光地では公共交通機関も大混雑で、地元住民への影響も深刻に。

こうしたなか、政府・与党が対策の一つとして検討しているのが。

高市総理
「国際観光旅客税の拡充も含めまして、オーバーツーリズム対策の強化について国土交通大臣に検討を指示しました」

国際観光旅客税、いわゆる“出国税”の引き上げです。

日本から海外に渡航する際、現在1人1000円徴収されている“出国税”をめぐり、自民党の調査会はきょう、“来年度の可能な限り早い時期に3000円に引き上げる”という決議をまとめました。ビジネスクラス以上を利用する人には周知期間などを勘案した上で5000円に引き上げる案もでています。

増えた税収は、ごみ箱の設置や交通機関の混雑緩和といったオーバーツーリズム対策にあてる方針です。

“出国税”引き上げの可能性について、海外から訪れた人は。

ハワイから来日
「知っている。2026年に上がるんでしょ。でも問題ない。ハワイより安いから」

ただ、引き上げは来日した外国人だけではなく、出国する日本人も対象になります。

30代
「高いですよね」

60代
「何もしないで出て行くだけでね、3000円。いやーって思う。1食食べれちゃう」

70代
「旅費として考えれば大体10万(円)とか20万(円)で行くじゃないですか。それから考えれば1割に満たないから、そんな」

調査会ではパスポートの取得費用を引き下げるなど、日本人旅行者への影響を勘案することも求めていて、政府・与党はこうした案をもとに年末にかけて議論することにしています。