眠りを見直すことが病気の連鎖を断ち切る第一歩

睡眠時無呼吸症候群は、多くの人が自覚のないまま過ごしています。天谷さんのように「よく眠れている」と思い込んでいるケースも少なくありません。まずは、自分の眠りを振り返ることから始めましょう。
広島ハートセンター循環器内科医の中村医師が教えてくれたのは、自宅で簡単に確認できるセルフチェック項目です。
睡眠時無呼吸症候群チェックリスト
□いびきをいつもかいている
□睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
□夜中に苦しくて目が覚めることがある
□夜中にトイレに行きたくて何度も起きる
□朝起きた時に頭痛がする
□しっかり眠っているはずなのに疲労感がとれない
□日中に強い眠気がある
□メタボリックシンドロームと言われたことがある
□心不全や不整脈など心臓の病気がある。

元プロ野球選手天谷宗一郎さん「僕は”いびき”と、”呼吸が止まっていると指摘されたことがある”、”疲れがとれない日もあります”、あと”メタボリックシンドロームの予備軍”だと言われたことがあります。結構当てはまってますね。」
中村医師「一つでも当てはまる項目があれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。注意が必要です。眠りの乱れが血圧や心臓、血糖など、さまざまな不調の”出発点”になっていることもあります。放置せず、早めに医療機関に相談してください。」
天谷さん「自分では大丈夫だと思っていましたが、こうして見ると心当たりが多いです。知らないうちに、体がSOSを出していたのかもしれませんね。」
眠っているはずの夜、血管は緊張し、心臓は走り続け、脳は息を求めてもがいている。その”静かな悲鳴”を放置すれば、高血圧・糖尿病・心不全・脳卒中という連鎖に繋がります。しかし、見直せば変えられます。
天谷さんは、治療を始めて、「ぐっすり眠れて、体が軽く感じる」と笑顔を見せます。眠りを整えることは、命を守ること。”眠っている間の健康”にこそ、私たちはもっと目を向けるべきなのかもしれません。
(3回目へ続く)
【特集】「睡眠が壊す健康~眠りの奥に潜む“沈黙の病”」(全5回)
第1回「病は夜につくられる~脳卒中や心不全を招く“見えない病”の正体」
第2回「眠るたびに体が悲鳴をあげる─血圧・心臓・脳に潜む“見えない危険”」
第3回「まさか自分が…」プロ野球解説者が体験 睡眠時無呼吸症候群“重症”の衝撃
第4回「眠りを取り戻す―CPAP治療で変わった生活」
第5回「秋から冬、眠りが浅くなる女性たちへ─見逃されやすい“女性の無呼吸”」

































