ぐっすり眠っているはずなのに…。睡眠中、心臓や血管が”全力疾走”している人がいます。眠っている間に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、血圧を上げ、心臓や脳に負担をかける病。放置すれば、高血圧、心不全、脳卒中などのリスクを高めることが知られています。健康に見える人ほど気づきにくい”静かな異変”とは。(【特集】「睡眠が壊す健康~眠りの奥に潜む“沈黙の病”」全5回シリーズの2回目)
■夜ごと、体の中で起きている“静かな暴走”
眠っているはずの夜、体は静かに戦っている-。
布団の中では穏やかに眠っているように見えても、その内側では、酸素が足りず、心臓が全力で走っている。脳が「息をしろ!」と指令を出し、血圧が急上昇する。この反応が、一晩に何十回、何百回と繰り返されている-。
本来なら「休息」の時間であるはずの睡眠中、体は緊張状態のまま。血管は収縮を繰り返し、心臓はまるでフルマラソンを走っているように酷使されているのです。それが、「睡眠時無呼吸症候群」の人の体の中で起きている現実です。

































