大手コメ卸しが抱く 国のコメ政策への疑問

「食協」では、生産者の数を今年、コロナ禍前に戻す計画です。取組みの背景には国のコメ政策への疑問があります。
政府は「生産量は前の年より18万トン多い」や「備蓄米の放出で、一部の流通業者が抱え込んでいる在庫を手放させれば、価格高騰は落ち着く」と説明し、21万トンの備蓄米を放出する計画です。
武信和也 社長
「収量が国の発表よりは少ないのだろうと思う。21万トンで果たして全国津々浦々コメが渡るのかといったときに、一瞬下がるか分からないが、やはり同じ状態でコメ不足のまま、新しいコメがとれる9月10月を迎えるのかと心配している」
食協に限らず、産地ではすでに、この秋のコメの確保に向け業者が動いているようです。大規模コメ農家の研修会の会場で話を聞きました。
三次市君田町の農家
「例年のこの時期は、だいたい決まった業者と話をするが(新規の業者が)多い。30キロ1万5千円とかそれぐらいの金額だったが、上がっている」
30キロ1万5千円は、相場が一段と上がった去年の年末以降の買い取り金額です。
三次市三良坂町の農家
「電話はずい分とあった。きょうも3件4件電話が入ってました。今から状況によっては、まだ上がると思います。備蓄米が出た段階で少し落ち着くと思いますけど。6年産のおコメが、この夏くらいには、たぶん少なくなるだろうと。5年産のおコメと同じ状況が出てくる可能性が大なので」
今回取材した業者や農家が言うように、備蓄米の放出効果は一時的なのでしょうか?また、この夏、再びコメ不足となるのでしょうか?産地では今月から、今年のコメ作りの作業が始まります。