「人を好きになって」子どもたちに伝えたいこと

「おんぶされた男の子」と名乗り出てから2年。被爆証言をする機会も増えました。記憶を補うため、5つ離れた次女の姉に、あの日の状況を聞くようになりました。
竹本秀雄さん
「この2年で聞いたことがたくさんあります。姉も泣きながら話してくれます。お互い年寄りだから『会っておこうね』って言っている。それで、姉から聞いた話と結びつけて、自分の物語にしている」
竹本さんは、証言を聞きに来た子どもたちに、いつも伝えることがあります。
竹本秀雄さん
「人を憎むから戦争になるんだと思います。人を好きになって、友だちになれば、友だち同士戦争しませんもんね。だから『ありがとう』『すごいね、いいね』って褒めて『ご苦労様』って労える。それができる子どもになりましょうね」

証言を聞いた高校2年生
「被爆者の方が心を込めて、涙ぐんで話されている姿を見て、原爆が本当にあったということが実感できた」
中学2年生
「体験した人から話を聞けたことが、とても心に響いたので、自分の心に響いたことを一つでも、友だちに伝えていきたい」
広島は6日、79回目の原爆の日を迎えました。記憶の風化が懸念されているなか、竹本さんはこれからも証言を続けていきます。