しかし、責任感が人一倍強い男も気がつけば32歳。チームのために振り続けたその右腕は思うように動かなくなりました。プロ10年目、節目の昨シーズンは自己ワーストの11敗。シーズン終了後に人生3度目のメスを入れます。

大瀬良大地 投手(沖縄キャンプ 2024年2月)
― プロに入って11度目のキャンプが終わりますけど、どんな1か月?
「ことしに関しては術後のキャンプとなったので、自分のやるべきことを一日一日やっていって、患部の状態を確認しながら、ここまで順調にやりたいこと、やるべきことができたのかなっていうキャンプになりました」
マツダスタジアム 2024年6月7日

迎えたプロ11年目のことし、開幕投手は同期の 九里亜蓮 に譲るも、先発ローテに食い込む回復ぶりを見せると、1点台の防御率を残して迎えた9度目の先発で偉業を成し遂げます。舞台は9年前、涙を流したマツダスタジアム。ラストボールに選んだボールは、背番号14らしい球でした。

実況 坂上俊次 アナウンサー
「投げました。打った。ライトへの当たりだ。ちょっと詰まっている。セカンドが下がって、ライトが出てきて、捕りました。アウト! 試合終了。大瀬良大地、ノーヒットノーラン達成!」

大瀬良大地 投手
「9回、マウンドに上がるときにあの大歓声を受けてマウンドに立ったときには、
『せっかくここまで来たなら、みなさんの前で達成できたらいいな』と思って最後の気力を振り絞ってがんばりました」
◇ ◇ ◇
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
最高ですね。
石田充 アナウンサー
涙を流したマツダスタジアムで、今度はファンの方が涙してしまうような…
青山高治 キャスター
本当によかったです。
田村友里 キャスター
歴史を知ると、より感動します。
石田充 アナウンサー
11年目の今シーズン、ここまで勝ち星は3勝なんですが、防御率1.07はセ・リーグトップですから。

天谷宗一郎 さん
すごいです。去年のくやしさをしっかりとはらしてくれています。
出してくれてますね。
石田充 アナウンサー
リリーフも2年目には経験して51試合に投げて成果を挙げたシーズンもあって、いろんな経験、中継ぎのたいへんさも自身、経験しているという大瀬良投手なので、やっぱり選手会長は譲ったとしても、いろんなものはまだまだ、若い選手たちに伝えてくれます。
天谷宗一郎 さん
インタビューのはしばしに大瀬良投手の人柄が出てきます。ぼくもいちおうLINEで「おめでとう」と連絡したんです。最後にいっぱい連絡来るだろうなと思ったので「返信不要です」って言ったんですけど、「次の日、ありがとうございます。疲れました(笑)」みたいな感じで返ってきたので、さすが、大地だなと思います。
石田充 アナウンサー
そして、背番号14というと、やっぱりストレート。最近はカットボールの割合が多いんですが、要所要所で1球ぐらいあったり、今回のラストボールがまっすぐだったっていうのも何かドラマだなと思いました。
(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)