和田 隆彦 住職
「ぼく、シーズン中はずっとユニホームを着ているんですよ。ユニホームを着て生活していたんですよ。それを着て、どこへでも行っていたんですよ。試合のない日でも」


「でも、ことしは、それが妙に恥ずかしくなって。それを地元のほかのお寺さんに言ったら、『ようやく広島の人間になったんだね』『広島の人はそんなむやみにユニホーム着ないよ』と言われて。ユニホームを着ることで『ぼくはカープファンですよ』ということをあえてアピールしていたようなところがあったなあと」


「それを言われて気づいて、着なくても平気になってきた。今までのカープファンとは違うカープファンになったなというような感覚がぼくの中ではあるんですよね」

― つけているのは…
「超覚寺の “C” でもあるっていう、そこですよね」


時には厳しく、時にはユーモアを交えながら和田さんがこれまでに書いた言葉は、18年間で2500枚に上ります。


目にとまりやすく、親しみやすい言葉で、1人でも多くの人に仏教の考え方が伝わればと和田さんは話します。

□ 「下を向いても歩こう 涙がこぼれてもいいから」


真宗大谷派 超覚寺 和田 隆彦 住職
「元歌は『上を向いて歩こう』なんですけど、それはもう誰もがわかっていること。上を向けなくて、立ち止まっているときにどうすればいいんだっていうところに、宗教は一番関われると思っているので」


「励ましたりとか、前向きになれる言葉ではなくて、現状を肯定するような、否定しないような言葉を選ぶようにはしています」


「絶対、防ぎようのないことに対して、『なぜ』『なんで』と思うと、それが自分を苦しめるもとになってしまうので、『なぜ』ではなくて、『そうなんだ』って思う癖をつけてもらったら、苦しむ数なり量は減っていきますので、そういったところも、つたない掲示板ですけど、伝わってほしいとは思うんですよね」


― 和田住職によりますと、だいたいのお寺が月に1回、掲示板を貼り替えるそうです。ですから超覚寺の「毎日貼り替え、しかも1日2枚」というのは非常にひん度が高いといえます。


― それだけ更新して、言葉のストックが尽きないのかとたずねたところ、「600枚はあるのでだいじょうぶです」とのことでした。