0対0の9回、重い展開を突き破ったのは、3番・小園。阪神2番手・ゲラの初球をとらえ、ライト前へ。小園らしい積極打法で出塁すると、前の打席にヒットを放っている4番・堂林は、今シーズン初めてのバント。4番が1球で決めて得点圏にランナーを進めます。

このチャンスで久保に変わる代打は、“切り札”・松山竜平 。…でしたが、今シーズン初の三振に倒れ、2アウトになります。

またしても、スコアボードにゼロが9つ並んでしまうのか…。バッターボックスには、3打席ノーヒットで打率1割台の 田村俊介 。3球目をフルスイング。センター・近本のグラブは届きません。小園が先制のホームイン。そして田村は3塁へ激走。20歳の若鯉・田村のプロ初タイムリーで9回、2アウトから待望の先制点を奪います。

9回ウラは、“守護神”・栗林良吏 。先頭・中野拓夢 にセンターへ弾き返されますが、途中出場の 上本崇司 が体を宙に浮かせ、華麗なダイビングキャッチ。

栗林は、その後、2つの三振を奪うパーフェクトリリーフ、虎の子の1点を守り切りました。

カープは、今シーズン初の完封勝利で2年ぶりに甲子園で勝ち越しました。(阪神 0-1 広島)

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青山高治 キャスター
きのうの勝利は大きいですよね。

コメンテーター 木村雅俊 さん(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
やっぱり田村くんが打つと、チームが元気になるじゃないですか。ファンもそうだと思うんですけど、今までなんとなく「打てない。打てない」って沈滞ムードがあったのが、若手がガーンと打つと一気に違う勢いが出てくると思うので、かーぷがまた新しいエンジンを付けたような気がします。

青山高治 キャスター
そうですね。活躍の向こうにいろんな未来が見えて、うれしくなります。でも、甲子園で勝ち越せたのもチームとしては大きかったですね。

木村雅俊 さん
苦手だったので、去年から負け続けて、こうやってビッグプレーがいっぱい出て、久保くんのプレーなんて、打球が抜けていたら危なかったですよね。

中根夕希 キャスター
守備も前向きに攻めている感じがします。秋山選手の姿を見て、久保選手もこういうナイスキャッチがあるんでしょうから、チームの雰囲気がどんどん上向いているなと感じます。