勝連半島を繁栄に導いた英雄「阿麻和利」。その阿麻和利が按司として居城した、世界遺産・勝連城跡。グスクの中には今なお、御嶽や井戸が残り、地域の人たちから神聖な場所としても大事にされています。この城跡には歴史への想像をかき立てる発見が相次いでいます。

勝連城跡に残る多くの歴史ロマン

学芸員 佐久本晴生さん
「見栄えももちろんだが、この石垣の大きさ、スケールが当時の阿麻和利の権威の象徴であったんじゃないかと印象を受けます」

城の整備担当を担う、学芸員の佐久本晴生さん(24)。勝連城跡には、多くの歴史ロマンが眠っているといいます。

学芸員 佐久本晴生さん
「四の曲輪という、この一帯の調査を行った時に出てきているんですね」

2013年の発掘調査で発見されたのは、ローマ帝国とオスマン帝国のコイン、合わせて10点。県内でヨーロッパの遺物が発見されたのは、勝連城跡だけです。

学芸員 佐久本晴生さん
「勝連グスクは、当時からアジアの中国だったりベトナム、タイだったり、交易を通して交流があったので、その過程で持ち込まれたんじゃないかと。正直なところ、まだ謎に包まれておりまして、私たちもその解明の糸口をつかもうと日々研究しているんですけど、まだ分からないことが多い」

「阿麻和利は、いち早く、交易に目を向けて、色んな国々との関わりを持っていたんじゃないかなと言われていて、発見の時に私は高校生だったんですけど、当時から考古学には興味もあったので、私も衝撃を受けた」

今後、一般公開を目指して調査が進められているのが「東の曲輪」というエリア。歴史への想像をかき立てる発見が相次いでいます。