「はーい集合、こっちに2列」
南風原町にある、本部児童館―。
ここでは、たくさんのお菓子に関わる大人にも子供にもうれしい取り組みが行われています。
児童館で働く、長田有香子さん。
長田さん
「きょうはゼリーとかは先生がもう先に入れてるから、取るのはせんべい、学童の人数分、スナック菓子ね」

毎月1回、役場と社会福祉協議会にそれぞれ20箱近くのお菓子が届きます。そのお菓子が学童や児童館、児童デイサービスなどの子どもに関係する施設、また支援が必要な世帯などに配布されています。
長田さん
「いろんな種類があるので分けないとあと何枚入ってるか。何個詰めなのかっていうので、人数分に分けていくのでその作業をしやすいようにやってます」
児童館などの施設に配布するお菓子も子どもたちで協力して、仕分けます。たくさんのこのお菓子は東京に本社を構える、物流会社・ダイワコーポレーションが送っています。
ダイワコーポレーション経営本部 岡部貴洋係長
「弊社の中であの、沖縄県に倉庫を建てる予定がありますので」
ダイワコーポレーションは、学童などにお菓子を販売する会社ウィライツの商品を倉庫で保管し、配送を請け負っています。
南風原町にお菓子を届けることを企画した一人、岡部貴洋さん。まだ食べられるお菓子を廃棄している現状をどうにかできないかと考えたのがきっかけでした。

ダイワコーポレーション 岡部貴洋係長
「通常業務の中で、配送してるお菓子を学童とかに送ってるんですけど、そこからの返品、いわゆる新型コロナの影響で当日来れないとか、お菓子が返品されるっていうことがあり、そういったものをお金をかけて捨てているっていうようなところに課題があるなと思ったので」
返品されたお菓子はこれまでお金をかけて、処分してきたといいます。
ダイワコーポレーション 岡部貴洋係長
「月に換算するとまあ6万、7万ぐらいは削減ができてるかなという風には思っております。南風原町の子どもたちですとか、感謝のお言葉とかっていうのを頂戴しますと、やっぱりモチベーション上がりますし、私たち自身も助けられた(ような気持ち)」
返品され、お金をかけ、処分していたお菓子はこうして南風原町の子どもたちの元に届きます。
Q子どもたち喜びますか?
本部児童館 長田有香子さん
「めちゃめちゃ喜びます。お腹すいた~って帰ってくる子もいるので、中学生はこれで受験勉強がんばれるとか、これから部活行く前に食べるとか言って野球部の小学生とか」
はじめはお菓子をもらうだけだったという子どもたちですが、今では児童館が開く時間に合わせてやってきて仕分けに協力してくれると長田さんは話します。
本部児童館 長田 有香子さん
「こうやってそれぞれの学童の在籍数があるので、その人数に合わせて暗算してます。割り算だったり掛け算だったり、小さい子は一個ずつ足して計算しながらその人数に漏れがないようにしながらとか、それぞれ任せてますね」
「自分の兄弟のようにかまってあげる、優しい気持ちが育ってるみたいで、そういうのに対しては、高学年にとってはプラスだし低学年の子も頼るっていう、素直に分からないって言える環境ができるのでそれもすごい素敵だなって思いますね」
子どもたち同士で協力し合ういいサイクルが生まれています

児童
「県外の会社の社長さんが送ってくれて、みんなでおいしく食べているし、食べ物を無駄にしない取り組みをしていてすごいなって思います」
「食べ物を無駄にしないようにできるからまた送ってほしい」
保護者
「大変ありがたい取り組みだなと思っています。元々廃棄されるって言っても全然まだ賞味期限もとてもまだ先のものですし、もったいないと思っているのでそれを子どもたちに還元していただけるっていうのは大変ありがたいなって思っています」
保護者
「そうですね、非常にありがたいなっていう風に思います。SDGsとか最近はやってると思うんですけど、そういったのの一環にもなるのかなっていうのと子どもも喜んでるので非常にうれしいです」
捨てられるはずだったお菓子を子どもたちに還元するこの取り組みは、SDGsの「つくる責任 つかう責任」という開発目標につながっています。
これまで子どもたちにフードロスについて伝えようとしてきたという長田さん。この取り組みは、フードロスの話だけにとどまらず、子どもたちの心の成長にも一役かっていると話します。

本部児童館 長田有香子さん
「自分が人のために役立ってるっていう、自分自身の自己肯定感をあげることもできるので、お菓子を頂くありがたさだけじゃない、違う広がりが今児童館で起きてます」
この取り組みを行う際に、学童などの施設との調整を行ってきたという南風原町役場こども課の儀間博嗣さん。町として、このような動きを後押ししていきたいと考えています。
南風原町役場 民生部こども課 儀間博嗣課長
「遠く離れた海の向こうの本土の方からお菓子がこう段ボールいっぱいに届いて、南風原町の子どもたちにそれを配ることができる、大変町としても心強い取り組みだなと考えております、個人の思いや企業の思いそういったものをどうにか実現をするっていうことについてですね。我々行政の方が何ができるかっていうことを常に探りながら進めていきたいなと考えております」
子どもたちにも企業にも優しい取り組みは続きます。