重くのしかかる派遣費 嘘をついて出場しない過去
Q遠征費という面では宮古だと全国大会ではなく県大会から?
上里一将さん
「県大会からもかかりますし、ちょっと県選抜の候補に入ったりしても、練習も土日しかないので、土日も毎週毎週、(沖縄本島に)行かなければいけなかったので、そこら辺は大変でしたね。大会の遠征費が払えないというチームの中心メンバーがいたりとか、そうなってくるとチームとして戦えなかったりするので」

2021年度の調査で分かった一人あたりの平均派遣費用は、離島から日本各地に行く場合は11万8546円。沖縄本島からでもおよそ8万円(7万9281円)かかります。
また離島から本島に遠征するだけでも3万円以上(3万1439円)の派遣費がかかることがわかっています。

小学5年の時、県選抜に選出されたのも、上里さんが初めてだった宮古サッカー界。2004年には離島のハンディを乗り越え、宮古島初のJリーガーとして祝福を受けましたが、子ども時代は、本島で行われる県選抜の練習に参加したくても、両親に負担をかけたくないと「調子が悪い」と嘘をつき、遠征に行かなかったこともあります。
Q行きたくないと嘘をつくというのはどんな気持ち?
上里一将さん
「行きたいですよ、もちろん、行きたいですけど、行ってしまうと家族の生活が苦しいというのもあるので、そこはどちらかというと、自分より家族をメインに考えなければいけないなと感じていました」
Qチームメートにも同じような境遇の人が?
「ざらにいますね。沖縄本島にもいるんじゃないですかね。そこでチャンスを逃してしまった可能性もあったので、そういった子たちをより少なくして沖縄からいろんなスポーツからプロ選手が輩出されて、沖縄ってすごいというのを発信できたらと思っています」

今月3日、県内の小学生を対象に無料のサッカースクールを企画した上里さん。派遣費問題の解決をめざして、企画の趣旨に賛同するスポンサーを募り開催しました。
企業から寄せられた協力金は、運営費を差し引いた全額が、部活動の派遣費に活用される基金へ寄付されます。