コロナ禍を乗り越え、V字回復を見せている沖縄の観光業界。ことしはさらなる飛躍が期待されますが、一方で、物価高や人手不足などの課題も多く残っています。県経済を支える観光産業界各団体のトップにことしの抱負を聞きました。
ことしの沖縄観光の見通しは
1月4日に華やかなムードの下で開催された「沖縄観光新春の集い」。4年ぶりに、制限のない開催となり、観光団体や県経済界の関係者650人が新年の幕開けを祝いました。
照屋副知事
「沖縄が世界から選ばれる持続可能な観光地として成長を遂げられるよう、沖縄観光が抱える課題の解消に取り組むとともに誇りと魅力ある沖縄観光産業としてさらなる発展を目指してまいります」

沖縄経済の根幹となっている観光産業。新型コロナの影響で落ち込んでいた観光客の数は、昨年度、前の年度と比べて過去最高の増加幅となるなど、V字回復を果たしました
さらなる飛躍が期待される2024年、各団体のトップに今年の抱負を聞きました。
那覇空港ビルディング 安里昌利社長
「昨年から空港の乗客がどんどん戻りましてね、国内線の方はほぼ、コロナ前のピークに近づいています。ただインバウンドの方、国際線の方はですね、まだ5割程度ですけれども、徐々に徐々に戻るような動きになっていましてね、受け入れ態勢は十分ですのでね、コロナ前以上にですね、乗客が増えるという風に期待もしております

沖縄経済同友会の代表幹事を務める渕辺美紀さんも、”ダッシュ”という言葉で県経済発展への期待を表現しました。
沖縄経済同友会 渕辺美紀代表
「去年コロナが5月に、5類に移行したあと本格的に動き出しましたけど、まだ途中でした。今年こそ、本格的に経済の発展にダッシュの年と思っております課題はありますけども、課題は必ず今の技術とか、あるいは色々な知恵で解決できると思っております。本当に沖縄県全体が潤う、豊かな明るい年になればいいなと思っております」
回復が遅れていた外国人観光客も、今年は急激な増加が予想される一方。観光需要の受け入れには、まだまだ多くの課題が残っています。

特に、各業界で深刻な課題となっているのが、人手不足の問題です。外国人労働者や、デジタル技術の活用が進んでいますが、急速に高まる観光需要を受け入れる体制は、整っているとは言えません。
県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎さんは、労働環境の改善を含めた”人材育成”を、ことしのポイントに挙げました。
県ホテル旅館生活衛生同業組合 宮里一郎さん
「真の観光立県になるためには、まだまだ、道が遠いのかなと思っております。10年前も観光業に就きたい人間が、9位か10位。去年も9位か10位。だから1歩でも、我々が努力して観光立県のために、幅広い人材を求めていかないとですね、やはり考え方を一つ変える必要があるのかなと」
「皆様方と一緒にね、小さな観光を考えることを目標にしながらいかなければいけないかなと思っております」今年創立70周年を迎えた沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長。

県のリーディング産業としての地位を確立すべく、観光業で”栄える”1年をテーマに掲げました。
沖縄観光コンベンションビューロー 下地芳郎会長
「沖縄観光は回復をしております。これからは回復ではなくて、新たな成長がキーワードだと思っております。成長をしながら沖縄が栄えていく。沖縄観光は総合産業という位置づけですので、観光が伸びることによって、農林水産業、製造業、サービス産業、全体に波及をしていきますその意味でも、やっぱり観光が引っ張ると、観光だけではなくて、他の産業と、私たちがより連携を深めて、沖縄の活性化につなげていきたいという風に思っています」

コロナ禍以前の活況を取り戻し、さらなる発展が期待される観光業界。観光でみんなが豊かになる。「世界から憧れられる観光地」を目指そうと、決意を新たにしていました。