ぎのざジャム工房 知名夫婦
「ちょっとだけ売れて後は近所に配るみたいな」
「どうにかできないかなというのがあって。どうしても“もったいない”というのはそういうとこですね。」

“もったいない”から生まれた50種類以上のジャム。
買い物客
「地元をバックアップするというか買いに来るだけで気持ちいい」
買うだけで気持ちよくなるジャム…?一体どんなジャムなのか。きょうは地産地消にこだわった手作りジャム工房を紹介します!
宜野座村惣慶にある「ぎのざジャム工房」。知名幹夫さん、美佐子さん夫婦がこの地で30年近くにわたり営んでます。
ぎのざジャム工房 知名美佐子さん
「最初はタンカンから始まって地域を見たら余剰なものが出ているのに気付いてパインとかマンゴーとか。基本的にはこの村でとれた産物をジャムにしています」
知名さん夫婦がジャムづくりを始めたのは、美佐子さんの実家で栽培していたタンカンが大量に余り廃棄されていたことがきっかけでした。

ぎのざジャム工房 知名美佐子さん
「すごいたくさんのタンカンが余るんですよね。私たちも頑張って食べたんですけど消費しきれないし、近所に配ってももうだんだんありがたがらなくなるという時代が来て、ジュースにできないかなとか父親は言っていて。私はジャム作りが好きだったので、じゃあジャムにしてみようかということで」
そこから余ってしまう果物や野菜に着目し、“もったいない精神”で地元の素材を生かした本格的なジャム作りを始めました。これまでに開発した商品はなんと50種類以上。スタンダードな「フルーツ系」に加え、料理にも使える「チャツネ系」、ご飯に合う「味噌系」、フルーツにしょうがなどを加えた「スパイス系」、「野菜系」の5ジャンルです。
ほとんどの素材はジャムにしてきたと話す知名さんが今、新たに挑戦しているのが…
宜野座産の「モズク」です!
知名幹夫さん
「これまでほとんどやりつくしたなと思っているときに海のものをまだやっていなかったということで、今回モズクにいきつきました」

知名さんがモズクにニンニクや黒酢を加えて作った新たなジャム「モズク醤」。パンなどに合うように考案したというこの商品は、今年3月宜野座村の特産品アイディアコンテストで最優秀賞に輝きました。幅広い商品ラインナップに加え自然素材を生かしたジャムを買い求め、本島南部から訪れる客も。
買い物客
「(店の周りも)自然がいっぱいで気持ちがいいですしドライブがてら。自然のものを作っている手作り工房ということで安心して買えるかな。美味しいです食べても。面白い味がいっぱいあって」
「迷いますねこんなにいっぱい。分かってはいるけどどれにしようかなって。」
ジャムは本島北部地域の道の駅でも販売されていて、県内だけでなく県外からも多くの人が買いにくるほど人気です。
宜野座ジャム工房にバナナやグァバなどの果物を提供しているやんばる観光農園の池辺俊晶さん。地域の素材を生かした知名さん夫婦のジャム作りは、生産者にとっても大きなメリットがあると話します。

やんばる観光農園 池辺俊晶さん
「鳥に食べられてばかりでもったいないなと思っていましたからね。そういう面では知名さんに感謝しています。うちから出た果物が商品となって並んでいるのを見て満足感もありますね」
地元の生産者と繋がり、地産地消を意識した商品作りを行う。こうした取り組みはSDGsの目標に繋がっています。

ぎのざジャム工房 知名夫婦
「地元のものが第一ですね。地元で目を向けられていないものにスポットを当てられたらいいかなと思っています」
「これからこそ(SDGsを)やらないと地球もまずくなる時代だと思うので。希望として若い人たちで増えているなと実感としてありますので自分らも(ジャム作りを)続けたい」
夫婦の想いがたっぷり詰まった宜野座生まれのジャム。これからもジャム作りを通して地域の魅力を発信し続けます