水道用水の卸値について、「来年度から3割値上げ」を検討していた沖縄県企業局は、各市町村の要望を受けて対応を修正し、来年10月から段階的に値上げする方針を明らかにしました。

県内28市町村に水を供給する県企業局は、施設の老朽化にともなう改修工事や海水淡水化にかかる電気料金の高騰などの影響で、来年4月から水道用水の3割値上げを検討してきました。

これに対し、市町村は周知期間が足りないとして値上げを始める時期を遅らせることや、値上げ幅の圧縮を求めていました。

こうしたなか7日に開かれた関係者の連絡会議で県企業局は、負担を和らげるため段階的に価格改定するとして、来年の10月に2割、2026年の4月に1割程度引き上げる新たな方針を示しました。

県企業局による水道用水の料金値上げは消費増税の影響を除けばおよそ30年ぶりのことで、今後は、料金改定に必要な条例案を県議会11月定例会に提出することを目標に、準備を進めていくとしています。

今回検討されている値上げについて県企業局は、「安定的な水道用水の供給のためには避けられない」としています。

実際の料金を見ていきます。

現在、沖縄県企業局が28の市町村に配水している水の料金は1立方メートルあたり102.24円。
これを来年の10月には2割ほど値上げし、125.24円。
3年後の4月には135.70円へと段階的に値上げをする案となっています。

各市町村からは、さらに改定時期の見直しを求める声もありましたが、県企業局は「経営の維持のためには来年10月の値上げでもギリギリだ」と理解を求めました。

これは県から市町村への水の「卸値」であるため、値上げ後に一般家庭などに請求する料金を上げるかは各市町村の判断となりますが、例えば那覇市の担当者によると、値上げされれば、値上げ額に税金を上乗せした額を請求する見通しだということです。

他の市町村でも同様に値上げされることになりそうです。