今月沖縄県内では、アメリカ軍関係者が関与を認めたひき逃げ事件や、飲酒運転事故が相次いでいます。

16日に北谷町と宜野湾市で相次いだひき逃げ事件は、被害者が重軽傷を負う事案にも関わらず、関与を認めている兵士や軍関係者は逮捕されず、任意での捜査が続いています。

通常は警察に逮捕される重大な事件でも、アメリカ軍関係者が絡む事件では身柄不拘束となることには『日米地位協定』の存在が大きく影響しています。

日米地位協定の問題に詳しい新垣勉弁護士によると、長年の日本の警察とアメリカ側との関係のなかで「日本側の任意の捜査に応じるかわりに、アメリカ側は身柄を引き渡さない」という運用が定着していると指摘します。

24日に那覇市で起きたアメリカ兵同士による衝突事故では、直前まで一緒に飲酒していた2人が関わる、悪質な事案であることが関係者への取材で分かっていますが、そのうち1人は現場で体の痛みを訴え基地内の病院に運ばれていて、逮捕には至っていません。

新垣勉弁護士によると、このケースでも一度基地内に入っているため、今後は任意の捜査になる可能性が高いということです。

しかし基地内への逃走は、証拠隠滅などの恐れが否定できないだけでなく、被害者への保障の不安も残ります。一連のひき逃げ・飲酒事故は日米地位協定の問題点を改めて突きつけています。