陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島周辺で消息を絶った事故から20日で2週間です。周辺海域では、依然行方が分かっていない隊員の捜索が続いています。

愛久澤記者「きょうでヘリの事故発生から2週間。強い風と白波が立つ中、未だ行方が分からない隊員の捜索が続けられています」

現場では発生から2週間が経った4月20日。自衛隊や海上保安庁による捜索が続いています。自衛隊の幹部ら10人が行方不明となる前代未聞の事故は大きな衝撃を与えました。

岸田総理(4月6日)「状況は防衛省で確認中だ。いずれにせよ人命救助最優先で取り組んでいく」

浜田防衛大臣(4月7日)「機体に搭乗していた第8師団長坂本陸相他9名について現在も発見に至っておりません。引き続き、行方不明者となっている10名の人命の捜索に全力を尽くす」

ヘリコプターの機影がレーダーから消えたのは、宮古島と橋でつながる伊良部島の北からおよそ3キロの地点。連日、24時間態勢で捜索が続けられましたが捜索は難航しました。

海上自衛隊 酒井良海上幕僚長(4月11日)「ソナー(音波探知機)を使って探索しているが、海底がかなりデコボコで、機体とサンゴの岩礁の見分けがつかない」

事故翌日から宮古島地方の天候が不安定だったことに加えサンゴ礁などの複雑な海底の地形が捜索を阻んでいたのです。

行方不明者に繋がる有力な手がかりはないまま、事故発生から1週間が経った今月13日。事態が大きく動きました。

上江洲記者(4月13日)「現在も確認作業にあたる自衛隊の船でしょうか。真っ暗な中に小さな明かりがぽつぽつと見えています」

捜索にあたっていた海上自衛隊の艦艇が海中で隊員とみられる人の姿と機体の胴体部分を発見。レーダーが消えた地点とはおよそ4キロ離れていました。

平良記者(4月14日)「飽和潜水の作業に着手したようです。船上に人の姿が見えます」

ダイバーが深海まで潜水する『飽和潜水』を始めるも機材トラブルや天候の影響で難航。事故発生から10日目にして初めて、行方不明になっていた隊員2人を引きあげ。その後、死亡が確認されました。

田場カメラマン(4月20日)「午後5時47分、要救助者を乗せたと思われる船が、今港へと出港しました」

自衛隊は連日、海底で見つかった隊員を引きあげ、20日までに、隊員10人のうち5人が死亡、6人目が海中で見つかっていますが、残る4人は依然行方不明のままです。

宮古島周辺の島々には至る所で自衛隊車両や隊員の姿があり、未だ緊張が残っています。

地元漁師 池間勝正さん「2週間になったら大変だと思うよ、探すのはね。漁師はみんな同じ考えを持っているから。早くあがってほしい一人でも多く」
伊良部漁業協同組合 普天間一子さん「捜索を職場から見て目の当たりにするとどうしても家族の所に無事に返してあげたいという気持ちです」

ヘリコプターに何があったのか。政府は残る隊員の捜索をいそぐと共に、原因究明に向け機体の回収に向けた作業を進めていく方針です。