平日の午前中、那覇市の百均の店舗で沢山のリボンや画用紙を買い込み、恩納村の民宿で黙々と作業する人たち。こちら手芸クラブではありません。

作業を行う人「詳しくは分からないけど、危機感を感じていて。特に戦争が始まってしまうんじゃないか。地域の子たちが軍隊に入らざるを得ない状況なんて考えただけで…。何かやっとけばよかったとも思いたくないし」
作業を行う人「みんなが危機感をもって、声に出していかないと、本当に近いうちにやばいことになってしまうという思いがあって」

県内で暮らす人たちが友人・知人同士で集まりスタートさせた運動が”イエローウェーブオキナワ”です。

台湾有事を念頭に県内では宮古島や石垣島などで自衛隊のミサイル部隊配備が進められるなど、強化されている日本の防衛力。このままでは『戦争に巻き込まれるかもしれない』という”危機感”を黄色いアイテムを身に着けることで示そうというのがこの運動です。ちなみに黄色のイメージは信号機の黄色です。

運動の提唱者の一人、島袋ひろえさんはこの日、仕事を休み、子どもが保育園にいる間だけ参加しました。

運動の提案者 島袋ひろえさん「この黄色を通して、もっと共感を得られるようなことが出来ないかなと」

彼女たちがイエローウェーブに込めた狙いは2つあります。そのひとつが。

島袋さん「今回も呼びかけ人がもう一人いたんだけど、もう一人は介護で行けなくなった。40代50代って特に介護が直面するから」「日々の生活で一杯一杯ですよね」

子育てや介護などで平和集会などに参加できない、島袋さんたちの世代。それでも黄色いアイテムを身に着けての”意思表示”なら気軽にできます。

「宜しくお願いします」

先月20日、イエローウェーブへの理解を広げるために。島袋さんたちは新聞社の取材を受けました。

琉球新報の記者「直近でこの日に呼びかけたい日はある?」
島袋さん「直近では来週の日曜日。2月26日に集会がありますよね。バンと黄色いシャツを着てもいいですし。こういうリボンか何かを付けてほしい」

週末に那覇市で開催される大規模な平和集会のタイミングに合わせて、イエロー・ウェーブを呼びかけます。

そして、もう一つの狙いは。

沖縄タイムスの記者「Qきょうが最初のアクション?」
島袋さん「きょうが最初ですね。今までずっと集会に行く人はそんなに多くの人ではない。それは何故かと聞くと、忙しいとかの理由じゃなくて。やっぱり集会に行ったことを職場の人に知られたくないとか、集会に行く人に対して『え?あの人行くの?』みたいな。そういう所が社会の中にあるので」

”危機感は感じていても、周囲の目を気にして意思表示が出来ない”。そう感じているのは島袋さんだけではありません。

顔を出さないことを条件に、今回インタビューに応じてくれた2人の子どもを育てる40代の女性も。

40代女性「日本は政治の話をするのが、はばかられるというか。摩擦が生じるのではないかという不安がありますね。イエローウェーブは不安を感じているような人たちでも、あまりハードルが高くなく、平和にいたいということがアピールできる」